2024年09月27日

お金持ちのペンタックス

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噂のライカQ3 43が正式発表されました。
43mmのレンズは珍しいですが、ペンタックスはKマウントで現在も、過去にはLマウントでも43mmの交換レンズを販売しています。
残念ながら知名度の差により、数年後は時系列を知らない方がペンタックスの43mmをプアマンズライカと呼ぶかもしれません。
ところで、ペンタックスはどうして43mmにしたかというと、ライカ判の対角長が43mmだからだそうです。
ライカ判の標準レンズは約50mmで、これはライカのelmaxが51.6mmだったことに由来しますが、中判では対角長が標準レンズで約50mmよりちょっとだけ広い。
ライカ判で50mmは狭いからペンタックスはライカ判の対角長の43mmにしたとか。
で、突然のライカが43mmです。
以前から私はペンタックスは一眼レフのライカになれと主張してきましたが、なんとライカの方が先にレンズ一体型デジカメのペンタックスになったのです。
間違いありません、ライカはペンタックスになろうとしているのです!
数年後には43mmのブライトフレームをつけたM43を出すでしょう。
そもそも、デジカメで28mmといえばGR、ニコンもフジも挑戦した28mmのレンズ一体型デジカメでリコー以外で唯一残ったのライカのQシリーズ。
Qだって後追いって言えば後追いです。
ライカにはいくつもの伝説的なレンズがありますが、28mmは影が薄い。それなのにQで28mmを採用したのはGRの成功を見たからでしょう。
43mmではありませんが、GR3xは換算40mm。28mmだけでなく、こちらでも先行しています(こっそりとファームアップで換算43mmクロップを追加しておいた方がいいと思います)。
ペンタックスの43mmはプアマンズライカではありません。Q3 43がお金持ちのペンタックスなのです。
ライカもQ3 43とか面倒くさい名前はやめて、素直にQ3pとかにすればいいのに。
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2024年09月18日

ぽい写真

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8人展では5枚の写真を貼りましたがそのうちのカラー3枚になります。
Yoshi-Aさんっぽい感じの写真を選んだつもりでしたが、実際に並べてみるとそうでもないのがわかりました。
それでも、M谷さんがYoshi-Aさんっぽいと言ってくれたので、それなりにぽいのかなと思います。
ただ、Yoshi-Aさんは毎日こんな感じで撮っていたことを考えると本質的には全然違う写真です。
そのM谷さんの話では、最後は柳ヶ瀬の写真を展示したいと話していたそうです。
Yoshi-Aさんから「ここだけの話なんだけど」とか言われて色々なことを聞きましたが、だいたいはみんな知ってるくらいに誰にでも話していたようですが、柳ヶ瀬で終わりにしたいというのは初耳でした。
Yoshi-Aさんの地元が岐阜で、岐阜の繁華街が柳ヶ瀬ですが、郷愁的な思いがあるのか、故郷の岐阜で展示したいと考えていたのかは今となってはわかりませんが、望郷的な気持ちがあったんだなと少し意外に思いました。
それを考えるとYoshi-Aさんの写真はStingのEnglishman In New Yorkみたいな色もあるのかなという気もしてきますが、きっと本人は否定するでしょう。
写真は押せば誰でも撮れるのに、押しただけなのに、明らかに押した人によって違うものが撮れてしまうオカルトめいたところがあり、考え出すときりがありません。
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2024年09月03日

第12回 私のステートメント的なやつ

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以下は9月5日から開催する写真展『私たちのまなざしとその記憶 12』における、私のステートメント的なやつです。
ちなみに、上の写真はGR Tripで集合写真を撮影した時のものです。
真ん中に写っているのがYoshi-Aさんです。

 4月13日 講のメンバーと安藤さんのご自宅に伺ったその日の夜 どうにも眠れないものだから 訪問の際に見せていただいた真新しい21mm、75mm、2本のレンズのことを考えました いずれもフォクトレンダー製でf1.4の明るく重いレンズです。
 この2本のレンズは状況が難しいことが明らかになってから注文したものですから、明確に使う意図、シチュエーションがあり注文したレンズでしょう

 安藤さんがSuper-Angulon、21mmを使い撮影された写真は何度となく拝見していますから 21mmに手を伸ばしたことに疑問はありません
しかし75mmは意外なレンズです

 Super-Angulonをはじめ 広角の印象が強い安藤さんに中望遠レンズは意外に思えましたが 少し考えてみるとその印象は失礼だったことに気づきました

 私が覚えているだけでも安藤さんが使われていた中望遠レンズに ハッセルブラッド用のS-Plannar 120mmがあります
 ライカ判に換算すると75mmに近い画角となるこのレンズを気に入っていることは何度も伺っていました
 安藤さんにとっては中望遠も広角と同様に馴染んだ画角だったのでしょう

 では 21mmと75mmの2本のレンズで何を撮影しようと考えていたのか

 生涯アマチュアに拘った植田正治の晩年は自宅に作った砂丘のミニュチュアやオブジェを組み合わせて撮影していたこと
 今でも路上に拘る森山大道ですが歩けなくなったら4x5を使って自宅で撮影すると言っている
そんな話を安藤さんから伺った記憶があります

 今になって思えば 安藤さんご自身の老いていく体に思いを重ねて話されたのかもしれません
 しかし、ストリートスナップの名手である安藤さんですから 体に老いを感じたとしても静物ではなく路上に拘ったのではないでしょうか

 安藤さんからは沢山の写真家の話を伺いましたが 中でも話題が多かった一人は荒木経惟だったと思います
 荒木経惟は前立腺がんを患い片目を失明していますが それ以降も病院へ向かうタクシーの中から撮影した写真を発表しています

 安藤さんのブログ「Yoshi-A の写真の楽しみ」にも書かれていましたが 闘病生活ではお嬢様が運転する車で様々な場所へと足を伸ばしたそうです その車の中でもスナップを、ストリートを撮れる 安藤さんはそう感じたのではないでしょうか

 ある雑誌に車椅子に乗りながらもα7で撮影するウイリアム・クラインの姿が掲載されていましたが 車内からの撮影だけでなくそのイメージも頭に浮かんだのかもしれません
 残されたカメラにはライカの他にα7cもありました

 ご自宅で拝見したカメラやレンズのこと、古町でコーヒーを飲みながら話したことを思い返すうちに、ライカに21mmを、α7cに75mmを付けて後部座席から撮影する そんな安藤さんの姿が思い浮かびました

 もちろん私の妄想でしかなく 21mmと75mmのレンズを用意した真意はわかりませんが 撮影への情熱はまるで衰えていないことは疑いようもありません

 過去に固執せず積極的に新しい機材を取り入れ 90歳を超えても撮影を続ける川田喜久治に対する敬意の言葉を何度となくお聞きしていました
 そして安藤さんもそうあろうとしていました
 新しく2本のレンズを用意したことからも疑いようがありません

 植田正治、荒木経惟、森山大道、川田喜久治、ウイリアム・クラインがそうであるように 安藤さんも挑戦を続けています

 路上に拘り挑戦を続けたアマチュア写真家 安藤善治とグループ展でご一緒でき また時には街中で声をかけられコーヒーを飲みながらあれこれと話をできたことは 光栄であり、そして 行動をもって挑戦を続ける姿を間近で見せつけられたことは 他に代えることのできない経験です

 Yoshi-Aさん、ありがとうございました

私たちのまなざしとその記憶 12


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