2007年10月24日

スクエア論 2

R0015255
前回からの続き

動かない、平面に描かれるという点で写真と同じ漫画では視線を誘導することで流れを作るコマと視線を止めることで盛り上げるコマをつくることで一つの作品を組みたてている。
写真の場合は1枚の中で視線の流れを作る部分とそれを受け止める部分を作ることで、1枚の写真の中にストーリーを作ることがでる
しかし、スクエアの写真においては視線の流れを作りにくいため1枚の中にストーリーを作りにくい。
それがスクエアが難しいという意識ではないか。
以上が前回のまとめです。一度スクエアの構図から離れ、スクエアフォーマット写真事情について見て見ます。
スクエアフォーマットの写真はどこで見ることができるでしょうか。
写真集はもちろん、雑誌などにも案外多く使われています。
普段は雑誌に使われている写真の縦横比なんて気にしませんが、意識してみてみると思いのほか沢山見つけることができます。
雑誌などの紙媒体の撮影もほとんどがデジタルカメラでの撮影に替わったそうです。
スクエアで撮ることができるデジタルカメラはほぼ無いことから、編集時にスクエアにトリミングをしているのでしょう。
見せたい部分を強調することもトリミングをする理由の1つだと思いますが、スクエアにトリミングする理由には十分な理由とは言えません。
スクエアにトリミングする理由は配置や美観などのデザイン的な要求ではないかと予想します。
したがって、雑誌などの紙面ではスクエアは実用的なものとして扱われると言うことができます。

実用として使われる一方で、スクエアフォーマットは他とは違う何か特別なものとして扱われているように感じます。
写真集にはスクエアの写真だけで構成されたものも珍しくありません。
ところで、スクエアの写真が多い川内倫子や鬼海弘雄はローライ、ハッセルを使うことと共に知られています。
これはトリミングではなく撮影段階から正方形のフォーマットを選んでいるということです。
写真家はスクエアフォーマットをなんらかの意図、恐らく表現に関する、を持って選んでいると思われます。

続く
posted by gr-digital.net at 12:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | GX100 b_entry.gif
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。